ハザカ式発酵装置の開発で有名な県南衛生工業(社長・葉坂勝氏)製造の肥料が、10年以上も販売先がみつからないまま屋外に野積みされていたことが明らかになった。肥料を隠れ蓑にした産廃処理の実態が浮き彫りにされた。

 県による行政処分

 宮城県はこれまでに県南衛生工業に対し、産廃物管理施設の改善などを命令した。改善命令の内容は
@産廃物の周囲に囲いを設けること
A産廃物の保管場所である旨その他必要な事項を表示した掲示板を設けること
B産廃物が飛散や地下に浸透しないように必要な措置を講ずること
C保管している廃棄物について、2カ所以上採取し、金属類等を含む産業廃棄物に係る判定基準に適合するか否かの確認のため、溶出試験を実施すること
となっている。

 肥料か産廃か

 農水省は昨年8月、県南衛生工業に対する立入検査結果を公表した。立入検査は農水大臣の命令で(独)肥飼料検査所が実施する。同社への立入検査県は肥料登録(平成13年1月26日)後初のもの。この立入検査で、汚泥発酵肥料「ハザカコンポスト」から許容基準5ppmを超えるカドミウム9ppmおよび許容基準100ppmを超える鉛560ppmが検出された。
 このため農水省は
@当該肥料の出荷停止
A出荷した製品の回収
B販売先の農家への許容基準超過の連絡
C農家に対する相談窓口の設置
D肥料取締法に基づく報告
などを要請した。
 県の調査では次のようなことが分かった。県南衛生工業は94年から県の下水道公社から下水道汚泥の中間処理(年間平均約1万3000トン)を受託。同社は汚泥と、小山広域保健衛生組合(栃木県小山市)が排出する焼却灰を混ぜ合わせて発酵させ、たい肥化すると説明していた。
 しかしたい肥化処分物は市場に出回っておらず、県南衛生工業の敷地に11年以上、野積みされていたことが判明。このため保管されているたい肥化処分物の一部は、肥料などの有価物ではなく産廃物と認定、このたびの行政処分となったもの。
 下水道公社は「廃棄物処理法に基づき年に数回、現地調査をしたが、同社の口頭説明を受けて処分過程を見る程度にとどまり、状況把握が不十分だった」と排出者責任を認めているという。
 農水省は同社に対して前記のような要請はしたものの、肥料取締法での処分は未定となっている。県及び環境省が一部とはいえ産廃と認定した堆肥化処分物を、いまさら肥料とすることもできず、お手上げ状態。
 なお当該肥料は13年1月に登録されたが、3年の有効期限が過ぎても更新されず16年1月に失効した。